3月決算の法人、12月決算の法人、8月決算の顧問先、そして個人の確定申告が同じ事務所に同居します。法人税と消費税の申告、1月末の償却資産申告と法定調書合計表、源泉所得税の納期の特例、11月から始まる年末調整。顧問先の数だけ違う締切が走っているのに、それを束ねているのは担当者の手帳と個別のExcel一覧だけ、という事務所は珍しくありません。期限は一度落ちれば、加算税と延滞税という金額になって顧問先に届きます。
通帳のコピーが来ない、カードの明細が半分だけ、領収書は月末にまとめて封筒で届く。催促をしたのは先週なのか先月なのか、電話で「来週送ります」と言われたのがいつだったのか、記録は担当者の送信済みフォルダの中にしかありません。所長が進捗を把握するには、担当者を一人ずつ捕まえて聞くしかない状態が繁忙期まで続きます。
登録番号が記載されているか、税率ごとに区分されているか、免税事業者からの仕入れで経過措置の対象になるか。記帳の前段でこの確認が必ず発生し、しかも届く形式が紙・PDF・写真と顧問先ごとにバラバラです。電子取引で受け取ったデータの保存要件も重なり、確認そのものが毎月まとまった作業量になっています。
この社長は午前中しか電話がつながらない、ここは毎年12月に資料が遅れる、前期に課税事業者になった経緯がある。申告書には残らないのに引き継ぎには必ず要る情報が、退職や担当替えのたびに白紙に戻ります。繁忙期の担当替えは、事務所にとっていちばん静かに効いてくるリスクです。
決算・申告、年末調整、償却資産、融資資料の作成依頼、相続の相談。毎月の顧問料に含まれない仕事ほど、担当者が「ついでに」引き受けて記録が残りません。見積を出した仕事と実際にやった仕事が突き合わない状態が続くと、事務所の採算は担当者の記憶に依存することになります。
各段階で使うアプリは、名前を押すと詳細を見られます。
3月決算が集中する事務所でも、実際には12月決算も8月決算も個人事業主も混ざります。tax-calendarに顧問先ごとの決算月と課税区分を入れると、法人税と消費税の申告期限、1月末の償却資産申告と法定調書合計表、源泉所得税の納期の特例、年末調整の着手時期が顧問先の属性に応じて並びます。所長が本当に見たいのは個々の日付ではなく「証憑が揃っていないのに期限が来る顧問先」であり、その一覧が毎日出ることが期限管理の本体です。
登録番号の記載、税率ごとの区分、免税事業者からの仕入れかどうか。tax-invoice-viewで受け取った請求書を顧問先ごとに並べ、確認済みの記録を残すと、記帳の段階で「これは誰かが見たのか」で止まらなくなります。電子取引で受け取ったデータは受け取った形のまま残す必要があるため、確認の記録と保存を切り離さないことが後の調査対応で効きます。判断そのものは税理士と担当者が行い、製品は確認の抜けを見せるだけです。
顧問先の記帳はこれまでの会計ソフトのままで構いません。ledgerが持つのは事務所側、つまり顧問料の入金、決算料などのスポット収入、外注費、事務所経費といった事務所自身の数字です。顧問先の数字と事務所の数字が同じ場所に混ざると事故になるため、この境界は意図的に維持しています。
顧問料の外側にある仕事ほど記録が残りません。quote-docsで決算・申告、年末調整、償却資産、資料作成といったスポット業務の見積を残し、実際に着手したかどうかをtask-boardと結びつけると、やったのに請求していない仕事が可視化されます。金額の考え方は事務所ごとに違うので製品は決めません。残すのは、何を引き受けてどこまで終わったかだけです。
daily-briefingは、期限までの日数と証憑の回収状況を突き合わせて、今日動かないと危ない顧問先だけを短く出します。繁忙期に全顧問先を毎日見ることはできないので、危ないものだけが上がってくる状態が事務所を守ります。ここでも製品は税務判断をしません。税務代理と申告書の作成は税理士の業務であり、AIエージェントが担うのは段取り、つまり誰が何を待っていて、あと何日あるかを揃えることです。
行いません。税務代理と税務書類の作成は税理士の業務であり、そこに製品が立ち入れば事務所にとってリスクにしかなりません。AIエージェントが担うのは段取りの側です。期限まであと何日で、どの顧問先の通帳がまだ届いておらず、誰が三度目の催促をしているのか。判断の材料を揃えるところで止まります。
ありません。記帳と申告はこれまでの環境のまま使ってください。本製品が持つのは、顧問先ごとの進捗、期限、やり取りの履歴、証憑の回収状況といった、会計ソフトの外側にこぼれている情報です。入れ替えを前提にすると、いちばん忙しい時期に事故が起きます。
閲覧範囲は部門と担当の単位で分けられるので、担当外の顧問先が見えない状態から始められます。マイナンバーのように取扱いが法令で決まっている情報は、保管方法を今のまま変えず、進捗と連絡の記録だけを載せる運用が現実的です。すべてを移すことが目的ではありません。
全部を一度に移すのは勧めません。12月から3月に始めるなら、証憑の回収状況だけをボードに載せる一本に絞ってください。決算月と申告期限をカレンダーに入れる作業は、繁忙期が明けてからでも十分に間に合います。
顧問先台帳のメモ(連絡がつく時間帯、資料が遅れる癖、課税区分が変わった経緯)、証憑の依頼と回収の履歴、期限ごとの着手記録の三つです。申告書には残らないが引き継ぎには要る情報がこの三つに集まるので、担当替えの直前に慌てて書き出す作業がなくなります。
入力する項目は、これまで一覧表や手帳に書いていたものと同じです。加えて、AIエージェントには日本語のまま「今週期限が来る顧問先で、まだ通帳が届いていないところ」と聞けます。新しい操作を覚えるより、聞き方を覚えるほうが早い作りにしています。
必要ありません。事務所の中だけで完結する運用を前提にしています。顧問先とのやり取りは今までどおり電話・メール・訪問で行い、その結果だけを記録する形でも効果は出ます。顧問先に新しい操作を覚えてもらう前提の仕組みは、資料がいちばん遅い顧問先から先に機能しなくなります。