稟議書をPDFにしてメールで回すと、次に押す人は本人しか知りません。起案者は三日おきに「あの件どうなりましたか」と電話をかけ、実は二人前の段で止まっていたと後から分かる。回付の順序が受信箱の中にしか存在しない状態です。
職務権限規程では課長専決で足りる案件を、念のため部長まで上げてしまう。逆に本来は役員決裁が要る支出が部長止まりで通り、監査の指摘で初めて気づく。基準が紙の規程にしかないかぎり、決裁区分の判断は毎回属人化します。
Excelの稟議書テンプレートに承認者の役職と氏名を直書きしているため、組織改編のたびに全様式を直すことになります。しかも回付中の案件は決裁者がすでに異動していて、取り下げて起案からやり直すしかない。
法務と情報システムを通すべき外部サービスの契約が、通さないまま決裁されている。監査対応で「誰がいつ確認したのか」を求められても、メールのやり取りをかき集めて再構成するしかありません。
稟議は通ったのに発注が二週間遅れる。契約書の原本がどこにあるか分からない。決裁の記録と、その後の発注・契約・支払いが別々の場所にあるため、決まったことが実行されたかを誰も確認していません。
各段階で使うアプリは、名前を押すと詳細を見られます。
案件の種別(購買・契約・出張・採用・支出)を選ぶと、その種別の様式が開きます。件名・目的・金額・期間・添付といった必須項目が最初から入っているので、後段で「この項目が空欄」と差し戻される回数が減ります。金額の根拠になる見積書は見積・取引明細アーカイブから引いて添付するため、本文の金額と添付の金額がずれません。備品購入や出張申請のような定型の申し出は、フォームで受けてそのまま起案に落とします。
組織図から 直属上長 → 部門長 → 上位部門 → 最終決裁者 の順を自動で並べ、起案画面でそのまま見せます。職務権限規程の決裁区分は段ごとの専決権として持たせるので、金額基準で終わる段が最初から分かる。そして回付を開始した時点でルートを凍結します。以降に異動や退職があっても、その稟議は開始時点の決裁者で最後まで回ります。新しい組織図は次の稟議から効きます。
専決の段で承認された案件はその場で終結し、残りの段は自動でスキップされます。決裁者が出張や休暇で不在なら、代決でその段の担当者だけを差し替える。段そのものは進行中のまま残るので、最初から回し直す必要はありません。差戻しは事由とともに起案者へ戻り、どの段で何を理由に戻ったかが履歴に残ります。
決裁ダッシュボードに、待機件数、滞留している案件と現在の決裁者、平均処理時間、差戻率、種類別の分布が出ます。「稟議が遅い」という感覚を、どの種別が何日かかっているか、誰の段で何件止まっているかまで分解できる。差戻率が高い種別が見つかれば、様式か決裁区分のどちらかを直す判断につながります。
いいえ。職務権限規程・稟議規程にある決裁区分と金額基準を、そのまま決裁ルートの段と専決権に写す形です。課長専決・部長決裁といった区分は段ごとの設定で表現できるので、規程の中身を変えずに運用を移せます。
合議の段は意見と記録を残しますが進行を止めません。決裁(承認)の段はその段の決裁者が処理するまで次に進みません。参照の段は通知だけで進行に影響しません。同じ段に複数人を置けば並列で同時に回ります。
回付を開始した時点で決裁ルートを凍結します。以降に異動や退職があっても、その案件は開始時点の決裁者で最後まで回ります。新しい組織図は、その後に起案する稟議から適用されます。取り下げて起案し直す必要はありません。
代決でその段の決裁者だけを差し替えます。段は進行中のまま残るため、最初から回し直す必要はありません。誰が代決したかは履歴に残るので、後から経路をたどれます。
差戻しは事由とともに起案者に戻り、修正して再度回付します。どの段で何を理由に戻ったかが履歴に残るため、同じ指摘が繰り返される種別を後から特定して、様式や決裁区分を直す判断ができます。
決裁ダッシュボードで、待機件数、滞留案件と現在の決裁者、平均処理時間、差戻率、種類別の分布を見られます。特定の人の段に何件溜まっているかまで名前つきで出ます。
ありません。AIエージェントは起案の下書き、添付や必須項目の点検、過去案件の参照、決裁後の実行タスク作成までを担当します。承認・差戻し・専決といった決裁行為は人のアカウントでしか実行できない設計です。