紙の乗務記録を月末に集計して、初めてその乗務員が1ヶ月の拘束時間の上限に触れていたと気づく。分かった時点でその運行はもう終わっていて、直しようがありません。原因は集計の遅さそのものより、配車を決める瞬間に「この人の今月の残り」が誰にも見えていないことにあります。
前日夕方から当日朝まで、荷主の追加、車両故障、急な欠勤で何度も差し替わります。決めた本人は覚えていても、電話で振った傭車の分はどこにも残りません。月末に支払と請求を突き合わせる段になって、その日どの車に誰が乗ったかを思い出す作業から始まります。
深夜に戻って翌朝また出る乗務員は、日報を1週間分まとめて出します。待機が何時間だったか、荷役をやったかどうかが本人の記憶頼りになり、本来なら荷主に請求できたはずの待機料と付帯作業料が静かに消えていきます。
車両台帳は個人のExcelで、更新できるのもその人だけ。稼働中の一台が期日切れで止まれば、その日の配車が丸ごと組み直しになります。整備の記録も車ごとに散っていて、修理費がかさんでいる車をどれと入れ替えるべきかを数字で示せません。
同じ距離でも車格で単価が変わり、待機料、付帯作業料、燃料サーチャージ、立て替えた高速代が別建てで乗ります。締め日も荷主ごとにずれる。月末に思い出しながら組み立てるので拾い漏れが常態化し、こちらが気づかない限り取り返せません。
各段階で使うアプリは、名前を押すと詳細を見られます。
点呼そのものは運行管理者が対面またはIT点呼で行う法令上の手続きで、これを置き換えるものではありません。NOWORXが担当するのはその後ろ側です。点呼を終えた乗務員の出退勤、1日と1ヶ月の拘束時間の積み上げ、帰庫後の運転日報の提出状況をまとめ、上限に近い人を次の配車の前に知らせます。点呼記録簿と検知器の運用は現行のまま続けてください。
走行速度や位置の記録はデジタコの領域で、そこを取りに行くことはしません。重なるのは日報の一部だけです。NOWORXが引き受けるのは、勤怠と日報と経費を集めて集計し、承認して荷主への請求までつなぐ側です。運行データを見る装置と、人と書類を回す道具を分けて置くと役割がぶつかりません。
ドライバーが触るのは、出勤と退勤の打刻、その日の日報、領収書の写真の3つに絞れます。管理側の画面はドライバーには出しません。入力が抜けている場合は、部署のAIエージェントが翌朝に不足項目だけを事務所側の一覧に出すので、一人ずつ電話で聞き直す手間が減ります。まず打刻だけを1ヶ月回してから日報に広げる進め方が現実的です。
取引先台帳で自社車両と傭車先を分けて登録し、同じ運行に紐づけられます。荷主への請求と傭車先への支払が同じ運行から出てくるので、月末に付き合わせるときに探し直す必要がありません。適格請求書発行事業者かどうかの区分も取引先ごとに持たせて、請求と支払の書類の扱いを分けられます。
締め日と請求条件は荷主ごとに台帳へ持たせる前提です。待機料、付帯作業料、燃料サーチャージ、立て替えた高速代は日報と経費から積み上がるので、請求を組むときの拾い漏れが起きにくくなります。車格別の単価表も同じ取引先の情報として一緒に置いておくと、担当が替わっても運用が続きます。
打刻も日報も車庫や事務所に依存しないので、泊まりの運行でも当日中に出せます。中継輸送で車両と乗務員の組み合わせが変わる場合も、カレンダー上で車両と人を別々に押さえておけば、どの区間を誰が持ったかが日報側に残ります。戻ってから思い出して書く運用をやめられるのが、待機料の取りこぼしを減らす一番の近道です。